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2017.01.23

ハナシをノベルを見聞きする。(☆☆☆)

リンク: ハナシをノベル(@hanashionovel)さん | Twitter.

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 一年半ぶりに行って参りました。創作落語の会、ハナシをノベルの東京公演。お江戸でハナシをノベルです。
 創作落語、噺家さんももちろん、創作している方々がなかなか普通じゃない。田中啓文や我孫子武丸と、SFなりミステリなり、第一線で活躍している作家の皆さんがこしらえた作品の数々。まあ、これがなんていうか、変なんです。おもしろくて変。絶妙に変。
 大阪では定期的に公演が行われており、おととしは東京でも行われていたんですが、いろいろあって開催が遅れ、一年半ぶりに。いつもの夏とはずれて新春に開催されることに。
 てなわけで、誘ってくれた烏羽さんと一緒に出掛けて行った、と言うわけでした。

 この日のお題は、メインの文都師匠による創作落語が三題と、お弟子さんによる古典落語が二題。
 もちろん目当ては創作落語だったんですが、古典落語も、まあよくよく考えると、知っているつもりでも聞いたことがなかったりもするわけで。大変楽しませて頂きました。

 お弟子さん達の方は二題。「時そば」は知っていますが、こちらは同じか違うのか。いまひとつ要領のよくない男が、支払いをごまかそうとして思わぬ苦闘を強いられる「時うどん」。芝居好きの若旦那と芝居好きの小僧が、顔真似声真似でどったんばったん大騒ぎする「七段目」。
 いやまあ、そもそも落語を滅多に見ないもんで当たり前と言えば当たり前の感想ですけど、ライブの面白さ、勢いの面白さ、述べ方話し方と(聞いてるほうの)テンションをコントロールする、聞いてる方からすれば手玉に取られる面白さだよなあ、と、つくづく思った次第。
 ことに七段目の、どんどん芝居に入れ込んでわけがわからなくなる若旦那と、似たようなテンションで入れ込んではいるものの、やばくないかやばいんじゃないかこれ(※若旦那は小道具って言って本物の刀ぶらさげてる)と、正気と行ったり来たりする小僧、そして二人のどたばたの騒音に頭を抱える旦那と、一瞬で今が誰のシーンなのかを理解させながらの行き来やりとりがもう大変こう。話芸だもんな、そりゃ面白いよな、と、そんなことを考えたのはあとのことで。ほんとうのところ、無心と言うか、何の雑念もなく楽しませて頂きました。

 お楽しみの本題は三つ。罠にかかった鶴を助けた律儀者の老飛脚、夜中にその鶴がやってくるものの、変なところが律儀なせいで話がどんどんおかしくなる「鶴飛脚」。取り調べを見学する事になった新米刑事が、いろいろあって大騒動に巻き込まれる「刑事さん」。そして最後は、歴史もののようでもありご当地物のようでももあり、話の枕に「気を確かに持って最後までお付き合い下さい」とクギを刺された「ユキさまの抜け穴」。
 途中に挟まった、ぐだぐだなことが名物と言う原作者トークショーで…… この面子がまたものすごく豪華なんですが…… 「今日はバカ大会」「最後がいちばんひどい」「なんで文都さんこれ選んだんだろ」「順番違ったほうがよかったんじゃないかな」と、さんざん言われていた問題作でした。号泣するって言ってたけど、いやさすがにどうなんだそれ。

 いやしかし、久々に聞きましたけど、久々に楽しませていた来ました。なにぶん前回聞きに行ったときの、最後に聞いた「虫女房」が実にひどかったので、その日に聞いた他の内容がぜんぶ頭から抜け落ちて、「虫女房を聞いた」しか残らないくらいのアレだったので、まあ、そのことを思い返すと、大丈夫大丈夫って感じだったのですが。「虫女房」がどんな話か知りたい方は、その、タイトルで察して下さいと、まずは。

 あと、そうそう。伝統芸能も、始まった時は、もちろん伝統ではなかったわけで。古典として聞いた「七段目」も、公開された当初は、七段目、と言えば、忠臣蔵のあのシーン、と、説明しなくても誰もが判る、と言う共通理解があったと思うんですよね。
 残念ながら時代は流れて、そのあたりは解説なり予習なり、予備知識が必要になってしまうのが、古典と言うものの厳しさなのかも知れませんが。
 「ユキさまの抜け穴」では、そのあたりの「このへんのことを、知っていることを前提として話す」と言う感じの流れを、歴史に詳しい(そしてその知識があるのを当然と思っている)女の子と、それほどでもない友人、と言う二人の対話に盛り込んでいて、なんていうか、斜めに見てるんだろうけども面白いな、と思っておりました。「真田十勇士で誰が一番好き?」と言う質問は、なかなか出てこない。

 このあとはバーにギネスを飲みに行って、結果的に餅つきをしたりしたわけですが、それはまた別に譲るとしまして。
 新春に落語を聞きにゆき、多いに気を晴らしたと、そんなお話でありました。

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