アントマン&ワスプ、走って跳んで、拡大縮小大作戦!(☆☆☆)
リンク: アントマン&ワスプ|映画|マーベル公式.
シビルウォー。キャプテン・アメリカとアイアンマンを旗頭に、アベンジャーズが真っ二つに割れた戦いは、後々に至る多くの余波を残した。大小さまざまに。
スコット・ラングの身の上に起きたことは、比較で言えば小さい方だ。乱闘の当事者の一人、アントマンであることを考えれば尚更に。
インフィニティウォーでも語られた司法取引の末、なんとか日常に復帰したスコット。だがシビルウォーでの行動は、彼と周囲の人生に多くの波紋を、具体的には色んな人にかなりの迷惑を及ぼした。
それから数年。静かに暮らすスコットの人生に、初代アントマン、ハンク・ピムが再び現れる。拡大縮小能力を持つ新たなヒーロー、ワスプとなった娘のホープと共に。
ギャングにFBIに、現れては消える謎の敵。様々な思惑を持った敵対者達との、出し抜き合い騙し合い。
大きくなったり小さくなったり、周囲を巻き込み巻き込まれ。スコットとホープ達、アントマン&ワスプの大作戦が始まった!
てなわけで、見て参りました。実質アントマン2となりますアントマン&ワスプ。
前作にあったクライムアクション兼コメディの持ち味をそのまま生かした、すっごい豪華にどたばたするクライムアクション人情コメディ。
アントマン独特の拡大縮小アクションは、前作では主に、屋内でのいろんなバトルを描いていたのですが、今回は、カーアクションを含んだ、屋外市街でのアクションにスケールアップ。拡大縮小のギミックをこれでもかと使い倒した様は、もうお外に玩具箱ぶちまけて泳ぎながら遊んでるような派手さです。
筋運びではキャラクターの身近さ、等身大の登場人物達が大きな魅力。
前作でもそうでしたが、主人公スコットは、善良な、あるいは善良なパパであろうとする、わりと普通寄りの人間。ヒーローが持っているような衝動、あるいは呪縛と言うものからは、わりと自由な立場におります(その衝動を担っているのが、ハンクでありホープであるわけですが)。
そもそもアントマンになった経緯もだいぶ変わってますし、その能力を捨てられないで悩んでいるわけでもありません。それがまあ原因で、今回わりととんでもないことになるのですが……。
ともあれ、善人ではあっても完全ではないスコットが、それでも善きパパとして、最善を尽くそうとする。
それは他の登場人物達も同様で、それぞれが家族のため、職務のため。あるいはビジネスのために最善を尽くそうとするんだけど、まさにその良かれと思ってやった、あるいは仕方なくやむなくやったことが、全体の事態をどんどんややこしい方向へ転がしていく、ごろごろ転がる、要所で力を抜いた軽妙な筋運びが、実に楽しいのです。
感動的なシーンでも、真顔でとぼけ倒しに来たりする、楽しませることにフォーカスした楽しい娯楽映画でありました。
夏の最後の一作に、ぜひひとつ。
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