アクアマン:海陸を繋ぐ豪傑王の矜恃(☆☆☆)
リンク: 映画『アクアマン』オフィシャルサイト.
バットマンの召集に応じ、侵略者ステッペンウルフに立ち向かった戦士たちのひとり、アクアマンことアーサー・カリー。海でのトラブルから人々を助けつつ、故郷の港町で気ままに生きる彼の前に現れたのは、もう一つの故郷・深海王国アトランティスからの急報だった。アトランティスの王であり、そしてアーサーの弟でもあるオーム王。地上人への怒りを募らせた彼の手で全面戦争の準備が進められていたのだ。
王子にして混血児、地上人の父と海底の女王の息子。己の出自への苦悩を押し殺し、戦争を止めるべく動き出すアーサー。海原を跳び陸を駆ける、伝説となるべきアクアマンの冒険がいまはじまる!
というような塩梅で、アクアマン見て参りました! 初日に2D字幕で見たあと、これはやっぱり3Dで見ないとダメだ、と思い、IMAX 3Dで再度見てきたのですが。これはもう、一言で言えば、スカッとする! と言うべき一作でありました。
いろいろ言うべきことはありますが、なによりもまずはビジュアルの壮大さと美しさ。びっくりするくらいバロックと言うか。アトランティスの王、海の勇者アクアマンということで、作中の舞台のほとんどは海の中。暗い、色彩のない、そんな風に思われそうな深海の異世界。例えて言うなら竜宮城と宇宙都市を織り交ぜたような、光と色彩の豊かな、SFでもありヒロイックファンタジーでもある世界を作り出している。
それは光が溢れる海底王国アトランティスで、海中生物モチーフのメカニックが本物の海中生物とともに行き交う様でもあり、またそのアトランティスの様々な軍勢が威風堂々と勢揃いする様でもある。またアトランティスの兵士達も、宇宙服のような装甲服を纏っているのですが(彼らは海底人なので、地上で活動するにはスーツを着ないといけないのです)。無機質で没個性な彼らの姿がまた、個性豊かな生物や生物型のメカ達と上手く噛み合っているのです。
海中のシーンの、特にまた大規模な戦闘のシーンなどの。次から次へと隅から隅までイマジネーションの限りをぶつけてくるような映像美。かと思えば、地上での戦闘シーンで繰り出される、とんでもないカメラワーク。こんな見せ方があるんだ! とあの手この手に驚かされる一方で。
そしてストーリーのテンポの良さ。その大部分を負っているアクアマン、演じるジェイソン・モモアが魅力的。苦悩していないわけではない、自責もあり、自問もあり、何も考えていない男では決してないのですが。豪放に、なによりもまず行動する。ハートで語り、ハートで殴る。泥臭いまでに恰好良い姿を。油断のならない、予想通りのシーンを許さない筋運びで、テンポ良く次々と描き出してくるのです。
恰好良くチャーミングな主人公。圧倒的かつ幻想的な映像美。どうやってこれを、と思うようなアクションの数々に油断を許さない展開。そしてすべてを見終わるとどうにもスカッとする。
これはまぎれもないヒーロー映画。とんでもなく楽しく、とんでもなく絢爛なヒーロー映画です。劇場で見て、スカッとした気分になって帰ってほしい一作です。ぜひ。
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