これまでのあらすじ第一回:D&Dエベロンセッション感想
その日シャーンに5人が揃い、その日シャーンでひとりが死んだ。
五つ国による世界大戦、〈最終戦争〉終戦直後のエベロン。そのエベロン有数の大都市、尖塔の立ち並ぶ街シャーン。
祖父の遺産を受け取りに、シャーンへやってきたアリエスは、ただの料理人の娘のはずだった。魔法鉄道ライトニングレイルを降りた時にはまだ。
鋼鉄の蛮人、バーバリアン型ウォーフォージドのペセタは、かつては五つ国の一つ、カルナスの兵士だった。ゾンビに変えられてしまった戦友の消息を捜し求め、いま彼はシャーンの巷を彷徨っていた。
悪に抗う聖なる炎を奉じる、シルヴァー・フレイム教会。戦中に失われた教会の伝統、「歌う巡礼」を復活させること。ハーフエルクのクレリック、スクリーミング・ミーミーはそんな夢を持っていた。いま彼女は、両親の旧友から古い楽譜を受領するために、はるばるシャーンへと旅をしていた。
錬金術師の弟子、ノームのディンブルにとって、その日は輝かしい一日となる筈だった。魔術技師アーティフィサーとしてめきめきと実力を上げる彼を、師匠オネストが工房の後継者に指名したのだ。工房に留まるもう一人の弟子、兄弟子スモークの猛反対にも、オネストの意見は変わらなかった。
遠くエルデン・リーチの森林の中では、オーク混ざりのヒューマンのドルイド、ヴァーグが、星読みに不吉な結果を見いだしていた。星読み、そう。彼はただのヒューマンではない。エベロン世界を左右する存在、十二のドラゴンマーク氏族の一つ。タラシュク氏族の一員なのだ。シャーンへと向かうヴァーグに、族長は「緑の竜の仮面」を授けて送り出す。
それぞれの時、それぞれの理由を携えて。5人の男女がいま、シャーンへ集まろうとしていた。
最近のコメント